新宿で行われている原恵一映画祭で「カラフル」を見てきました

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原恵一監督作品「カラフル」は、昨年夏に公開された長編アニメーション映画です。すごいという前評判だったこともあって、前売り券を購入して劇場に観に行く気満々だったのですが、ちょっとその頃がいろいろ忙しかったこともあって、気がついたら劇場公開が終わっていました。使われなかった前売り券はずっと財布の中に入ったままになっていました。

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ちょうど前売り券を持っていたので、ポスターと一緒に記念撮影。


今回「カラフル」のDVDBD発売に合わせて、シネマート新宿で「原恵一映画祭」が3/19から開催されています。またアニプレックス主催で、映画祭での「カラフル」上映に20名のブロガーを招待するという企画がありまして、ダメもとで申し込んでみたところ当選したので、ありがたく鑑賞してきました。

~映画『カラフル』Blu-ray&DVD発売記念!~ 3月19日(土)原 恵一映画祭『カラフル』上映ご招待のお知らせ | 株式会社アニプレックス | Fans:Fans

今回の企画に関しては、東北関東大震災から1週間後という時期もあって、開催の可否に関しては議論もあったと聞きます。必要以上に自粛圧力が高まるなかで、予定通り開催していただいた主催者の方々に感謝いたします。

「カラフル」では絶望が存在しないのに死を選ぶ

さて期待たっぷりに見た「カラフル」ですが、期待しすぎたせいか観終わった直後の感想は正直イマイチでした。死んだ魂の主人公は地上界でのやり直しの機会を与えられ、自殺して危篤状態の真(まこと)という少年の体に転生します。それまでの記憶がない主人公の視点に観客は強制的に置かれますが、真の生前の生活が徐々に明らかになる序盤はさておき、自己中心的で周囲の人間のことを何も考えない振る舞いを説明なくするようになる主人公に、途中から全く感情移入ができませんでした。後半で主人公にも友達ができてちょっとイイヤツになって行くのですが、すでに自分のココロは離れているのでふーん、ああそう、という感じで、そのままラストシーンまで主人公の感情に付き添うことはできませんでした。


作品の言わんとするところは非常に教科書的で、内向的な主人公が様々な気づきを通して、周囲との人間関係で成り立つ自分を理解していくという話です。いわゆるいい話なんですが、いい話を感動的に描くという手法に、スレた自分はどうしても心理的な抵抗感があっていろいろ引っかかってしまいます。

「人間はその内にいろんな色を持っている。カラフルなままで良いんだ。」という意味の台詞が劇中でありますが、それを言う側も言われる側のキャラも、どうも表面的にしかそれを理解しているとしか思えず、上滑り感がありました。

とまぁいろいろ書いてきましたが、作画や演出面の作品の質としては非常に高いです。ただ自分が好きな作品ではなかったというのが残念でした。


この手の作品は、時間を空けてもう一度見ることによって、また受け止め方が変わって来ることが経験的に良くあります。来年くらいにもう一度見てみたいと思います。

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シネマート新宿のエレベータに例のインフォグラフィックがありました

http://www.flickr.com/photos/koyhoge/5542838814/

@ さんが作られた買い占め禁止のインフォグラフィックが、シネマート新宿のエレベータ脇に貼ってありました。ちょっとほっこりしましたw